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記念館日誌 中原中也記念館 記念館日誌vol.8
記念館スタッフによる日誌です。山口市湯田温泉の空気や記念館の雰囲気を感じ取っていただければ幸いです。
5月11日(金) 震災とダダ

 現在、中也記念館では企画展「高橋新吉―ダダイズムと関東大震災」を開催中です。展示では、約90年前に起きた関東大震災の前後に生み出された様々な言葉を紹介しています。
 ダダイズムとは、それまでの常識や規範を解体し尽くそうという「反」芸術運動ですが、そのはじまりは1916年、第一次世界大戦中のスイス・チューリッヒにあります。長い時間をかけて築き上げてきた近代文明が、戦争により廃墟と化していく情景を目の当たりにした人々が、それまで当たり前と思っていたものごと全てに「?」マークをつけていったのです。
 中也は、大正12年の秋の暮れ、京都の古本屋で高橋新吉の詩集『ダダイスト新吉の詩』と出会い、その影響からダダ詩を書き始めます。このことは「不良少年」の中也が前衛的表現と出会い、その虜となるという話の流れで語られることが多いのですが、当時の状況を意識すると、大正12年の秋の暮れとはすなわち関東大震災直後であることに気づきます。中也は歴史的大災害の発生直後にダダの詩に触れ、その表現に強く惹かれたのです。
 今から約90年前に起きた大地震と生み出された言葉。そしてそのような言葉の渦中で中也が惹かれたダダの表現。それらは東日本大震災後を生きる私たちの心にもきっと響くことでしょう。展示は8月26日までです。ぜひ展示をご覧下さい。
(順天)
5月4日(金) おやすみのまえにボックス

 今年の生誕祭も雨に降られることなく無事に終わりました。空の下の朗読会では、中也の詩と並んで第17回中原中也賞を受賞した暁方ミセイさんの詩集『ウイルスちゃん』に収められた詩も朗読され、また新たな詩の世界が開けていく感じを受けました。
 館内では、その『ウイルスちゃん』を紹介する展示として、暁方さんから特別に出品していただいた「おやすみのまえにボックス」を展示しています。
 これはいわば暁方さんの宝箱。サンキチと名づけられたクマのぬいぐるみ、硫酸銅、瑪瑙の原石、黒曜石といった鉱物たち、暁方さんが訪れた中国の鳴砂山の砂と火焔山の石、ドイツ製のビー玉、クレムリン宮殿のスノードーム、愛読書の数々。いわば暁方さんの感性の原石となったものが収められています。
 暁方さんご自身と、詩集の装幀を担当したカニエ・ナハさんが制作したオブジェも一点ずつ。「わたしのいない春のために」と題されたカニエさんの作品は、暁方さんの愛読書ヘッセ『デミアン』の文庫本に赤い糸が十字に結ばれています。送り状にどうぞ開いて見てくださいと書かれていたのですが、残念ながら展示ケースの中ではそれがかないません。代わりに写真でご覧ください。

            

 地球を模したオルゴールボールは〈シルクロードの風塵の音がする〉のだとか・・・お聴かせできないのが残念です。
 暁方さん、たいせつな品々をご提供いただいてありがとうございました。展示は6日(日)までです。
(象)
4月27日(金) あさっては…

 現在、100歳以上の方々は全国に4万人を超えているということですが、私の周りにも大変お元気な今年105歳になられるおじいちゃんがいらっしゃいます。まだまだお知り合いになってから間もないので、ご挨拶程度のお付き合いなのですが、いつもちょっと距離があるところからでも手を挙げて呼んでいただき、笑顔でお話をしてくださいます。こちらが元気をいただくほどだったのですが、ふと考えてみると中也と同い年っ!ではありませんか。もしかして、まさか、同級生なんてことはないかもしれないけれど、何かがどうにかしたら繋がりがあったりして…と想像がふくらんでドキドキしています。
 今はまだお話くださることを聞いている日々ですが、機会を得たらぜひ質問してみたいと思います。
 というわけで、あさって4月29日の日曜日は中也が一足お先に105回目のお誕生日。記念館前庭では生誕祭が開催されます。恒例の「空の下の朗読会」に李政美さんのコンサートを予定しております。記念館の入館は終日無料となりますのでぜひぜひ足をお運びください!
(瑞海月)
4月20日(金) 生まれも育ちも…

 湯田で生まれ育ってウン十ウン年。職場も…、飲み会も…と、湯田三昧の毎日です。
 ウン十年前は、記念館が面している「湯の町通り」は繁華街!で、数百メートル離れた田んぼに囲まれた田舎から、買い物に連れて行ってもらい、まるで上京するような気分でした。湯田温泉の一大イベントとして開催される湯田温泉(白狐)まつりも、友達と出掛けた古き良き思い出の一つです。
 縁あって今回、はじめて温泉神社の神事に立会いをさせていただきました。午後から休みだったため、家族とともにメイン会場の井上公園で出店の物色。福引では、2等賞1本、3等賞1本、5(末)等賞多数。まつり2日目は、子供が松明行列に参加し、大人になってからは、楽しいというよりも慌ただしい2日間でした。
 職場関係に戻り、4月18日から、企画展T「高橋新吉―ダダイズムと関東大震災」が始まりました(詳細はこちらから)。湯田にお越しいただいたついでに、是非、繁華街!に佇む記念館に立ち寄ってください。

             
(涼)
4月14日(土) 2012春 

 今年の山口の桜は、開花は例年より遅かったが、入学・入社式にはベストタイミングとなり、桜満開の中で新しい生活を始めた人たちが多いだろう。かくいう私もその一人で。中原中也記念館へ向かう途中のしだれ桜、昼間の散歩で見た旧『高田公園』(4月より『井上公園』)の桜、歓送迎会帰りのライトアップ夜桜と、新たな気持で桜を楽しんだ。
 私はほぼ自転車通勤をしている。自宅と職場がさほど遠くないというのもあるが、自由に動ける自転車の方がラクだし、季節を感じられるから好きなのだ。
 まだ桜が咲く前、草木・山からの匂いが変わってきて、すごく小さな虫が飛び始める(この虫群集の中に突っ込むと後が大変)。春が近づいているのを感じる。空気が生暖かくなり、日差しも冬とは違う。気持ちも何だかふわふわそわそわして、「ちょっと一杯」と出かけたくなる(笑)
 とにかく春は芽吹きの季節、その勢いを借りて、私も頑張りたい。
(風信子石)
4月6日(金) 春、いろいろ

 新年度が始まりました。記念館では、職員が入れ替わり、新しいメンバーでのスタート。やはり春は何かと忙しく、皆おおわらわです。そんな中、明日7日と8日の2日間、湯田温泉白狐まつりが開催されます。なんでも、記念館前庭で内湯入浴券が配布されるとのこと。これがあれば、いつもは入れない旅館のお風呂にも入浴できるらしい…【お問い合せは湯田温泉白狐まつり実行委員会(湯田温泉旅館協同組合内)へ TEL 083−920−3000
 風はまだまだ冷たいですが、桜もちらほら咲きはじめた今日このごろ。ぜひお出かけになってみては?そして、記念館にもぜひお立ち寄りください。
(菜の花)
3月31日(土) 年度末の記念館ニュース

○「フクさんを偲ぶお茶会」ぶじ終了
 3月20日、357人のお客様にご参加いただき、盛会のうちに終えることができました。この場を借りてお礼申し上げます。フクさんを知る方や、地元・湯田の方も多くお見えになり、会場で懐かしい再会が果たせて嬉しかったとのお声もありました。ご協力いただきました山口露山会の皆様には大変お世話になりました。美味しいお茶とあたたかなお心遣いを本当にありがとうございました。

○館報第17号発行
 さきほど、できたてホヤホヤの最新号が記念館に届きました。今回は、哲学者・吉岡洋氏による特別寄稿や、中也の結婚式で踊りを披露した花柳寛寿美さんのインタビューなど、もりだくさんの内容です。中也記念館にて配布中!(こちらからPDFファイルでご覧いただけます)

〇おまけ 分館に猫!
 写真では本物の猫のように見えますが、実はこの子、前回常設テーマ展示「これが私の故里だ」のセット(?)に使われていたハリボテの猫。展示替えにともない、学芸員室のある分館に移り住んできました。おなじみのご近所猫(本物)が外からジッと睨んでいたことも…。

 以上、せわしないはずの年度末ながら、うららかな春の陽気にどこかのんびりムードただよう中也記念館よりお知らせでした。

     

(ゆうすげ)
3月23日(金) ひとり交差点

 東日本大震災から一年が過ぎました。
 あの日あの時、私は飛行機の客席に座っていました。翌日福島市で開催される予定だった「賢治・中也・心平 福島ニ交差点アリマス。」というイベントに出演する予定だったのです。離陸直前に起こった震災の影響でフライトは延期され、関係各所への連絡もできないまま自宅に引き返したのでした。何度も訪れていた福島をあれほど遠く感じたことはありませんでした。
 16日に福島市で開催された震災復興イベント「レクイエムをあなたと 雲と光のコンサート」にお招きいただき、和合亮一さんとの対談の中で、山口市長のメッセージを伝え、中也の「盲目の秋」を朗読してきました。
 この機会を利用させていただき、花巻、仙台、いわきに足を伸ばし、宮沢賢治記念館、仙台文学館、草野心平記念文学館をめぐってきました。福島を文学の交差点と見立てて、賢治と中也と心平との出会いを再現し演出しようとした企画の、個人的でささやかなリベンジのつもりでした。
 それぞれの場所で接した方々から感じたのは、被災の辛苦に耐えながら粘り強く復興を進めている東北の息吹です。それを遠く離れたこの山口の地に伝えていくことが、東北への恩返しになるのではないかと思っています。
(象)
3月16日(金) 日記形式で

 11日、仙台、NPO法人「創る村」主催のコンサートを鑑賞。終演後のレセプションにもご招待をうけ、この日は東松島市にある創る村の敬老施設「老菜子の家」に泊めていただいた。
 12日、東松島市、老菜子の家周辺の津波被災地域を案内していただく。飴屋先生はじめ、創る村スタッフの皆さん、また、創る村を通じて出会った皆さんに感謝。
 14日、去年の3月にご来館くださった、徒歩で日本一周を目指しているという青年のことを思い出す。東京から山口まで半年で来たということだから、今頃は東北あたりか。
 16日、吉本隆明氏逝去。氏の中也についてのまとまったコメントは「中原中也研究」第15号でのインタビューが最後になったのではなかろうか。合掌。
(順天)
3月9日(金) 山口お宝展

 ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、現在「山口お宝展」が市内各所で開催中です。「山口お宝展」とは、山口市商工会議所山口お宝展実行委員会主催で、山口の「公共施設」「神社仏閣」「民間施設」で通常は見ることのできない貴重なお宝を一斉公開するもので、2006年からほぼこの時期に開催しています。一般的には、瑠璃光寺五重塔の内陣特別公開など、山口中心部(大殿地区)で行われているイメージがありますが、湯田では当館・おおすみ歴史美術館でお宝を公開中です。
 今回、当館で公開しているのは、「ノート1924」です。「ノート1924」は、中也が遺した創作ノートのうち最も早い時期のもので、使用年代は大正13(1924)年春から昭和3(1928)年頃と推定されます。ノートに綴った詩は51篇で、その中から、22日までは「春の日の怒」を公開しており、23日から4月8日までは「春の夕暮」を公開します。
 是非、この機会に当館及び市内各所のお宝巡りをしてみてはいかがでしょうか。
 詳しくはこちら
(力)
3月3日(土) 春宵感懐

 2月某日、受付に入っていたところ、とある有名人そっくりな方の姿が!「似てるなあ、ご本人かもしれない。でも声をかけるのもご迷惑かもしれないし、違っていても申し訳ないし」などともやもやしながら記念館をあとにされる姿をお見送りしました。後日、やっぱり気になって心当たりの方のブログを見てみると、山口の文字が!山口、湯田、そして記念館のことも書いてくださっていて、気に入ってくださったようで、館職員としても一安心。一方的な興奮のみの出来事でしたが、個人的には記念館生活も最後にちょっと良い思い出ができたなあ〜と、早くも3年間を振り返りながらしみじみするのでした。
(藤沢)
2月24日(金) 驚き、桃の木。

 一昨日、記念館になにやら大きなお届け物が。なんだなんだとわらわら職員が集まり、梱包をほどいてみると……。!なんと福島市さんよりたくさんの桃の花がっ!なんの変哲もない地味な事務室が一変、鮮やかな桃色(まさに!)と華やかな甘い香りに包まれました。
 実は、ここ山口市と福島市さんとは、様々なイベントを通じて文化交流をしており、昨年3月12日に企画されていたイベントでは、詩人で第4回の中也賞も受賞された和合亮一さんと当館の中原館長も参加予定でした。イベントは震災により中止を余儀なくされましたが、今年、来る3月16日に福島市の福島テルサで「レクイエムをあなたと 雲と光のコンサート」として開催されます。(入場料は無料とのことです。みなさまぜひ足をお運びください☆)
 エントランスに飾った桃の花がそれはそれは素敵で(ちなみに記念館に適した花器がなく、立派な花器を西村屋旅館さんにお借りしております。より一層です!)日誌に写真をアップしようと、中也肖像とのショットを図ったところ、とてもメルヘンな写真が撮れました。ウフフ。
 枝にはたくさんのつぼみがついて、少し暖かくなってきた日射しを感じ早速ほころびはじめて、かわいい桃色や若葉の黄緑色がのぞいてきています。しばしば、花の傍に甘酒やつぼみが雛あられに見えるという幻覚におそわれつつも、桃の節句に向かって桃盛りな毎日を楽しんでおります。

     

(瑞海月)
2月18日(土) 中也記念館18歳のお誕生日!!

本日2月18日、中原中也記念館は18回目の開館記念日を迎えました!来館者の皆さま、関係者の皆さまの協力があってこそ。ありがとうございます。
 その開館18周年を記念して、なんと中原中也記念館公式ツイッターが開設されました。(→こちら)HPでは紹介しきれない情報をいろいろ発信していく予定です。どうぞご覧ください。
 さて、記念館では今月15日から、新しい常設テーマ展「『在りし日の歌』まで」が始まりました。中也がこの第二詩集に込めた思いを探ります。今回は、『在りし日の歌』の本の形をした特大メインビジュアルが入口でお待ちかね。まるで詩集の世界へと迷い込んでいくかのよう。そして最後には、あのお馴染みの18歳の中也が待っています。どうしてこんなところに、若き日の中也がいるのか? それは展示を見てからのお楽しみです。
 そういえば記念館も、この中也と同じ18歳。なんだか感慨深い。
(菜の花)
2月10日(金) フクさんを偲ぶお茶会開催!

 11月から始まった企画展「中也の母・フク」も会期後半に突入。101歳まで長生きされたということもあり、生前のフクさんを知る方も多く、思い出話を伺ったり、写真資料などをご提供いただいたりすることもしばしばあります。会期前はどうしても展示を完成させることばかりに気をとられてしまいますが、オープン後の展開も大切なのだなあと実感しています。そうしたつながりを呼び寄せているのは、フクさんのお人柄ゆえなのでしょう。
 来る3月20日(火・祝)に記念館前庭にて開催する「フクさんを偲ぶお茶会」も、そんな嬉しい展開で実現した企画です。フクさんは少女時代から茶道に親しみ、晩年までお茶の先生として活躍していました。茶道関係の方々から、今回の企画展開催を期に“ぜひ記念館でお茶会を”というご要望が寄せられ、このお茶会の企画へと至りました。表流山口露山会の皆様のご協力をいただき、準備を進める毎日です。
 フクさんを偲ぶよき日となるこのお茶会は、お茶と記念館の展示鑑賞をセットでお楽しみいただける催しです。みなさまのご参加を心からお待ちしております!
(ゆうすげ)
2月3日(金) 今日はコマさんの命日

 今日は、中也の養祖母・コマの命日です。コマは文久3(1863)年1月1日生まれ。14歳の時、医者をしていた叔父・田辺玄齢に預けられます。叔父のもとで医業の手伝いをするなかで、近くの医院で書生をしていた中原政熊を知り、結婚。当時としては珍しい恋愛結婚でした。明治12年、夫の政熊が湯田医院を開業すると、その助手として医院を支えました。
 明治22年、洗礼を受け、翌年には政熊に洗礼を受けさせます。朝夕の祈りを欠かさない誠実なカトリック信者でした。孫の中也を大変かわいがり、幼い孫の手を引いてしばしば教会に連れていきました。中也もコマによくなつきました。
 昭和9年秋、腸捻転を起こし床に伏せ、治療の甲斐なく昭和10年2月3日、昇天。72年の生涯でした。中也は当時帰郷していたので、臨終に立ち会えたのかもしれませんが、記録としては残っていません。


                  
(順天)
1月27日(金) 蓄音器の響き

 「中原中也を読む会」のために会場となる山口情報芸術センター(YCAM)の多目的室に出かけて来ました。今日のテーマは「音楽になった中也の詩を読む」です。「音楽になった」というのは「作曲され演奏された」というくらいの意味ですが、中也の詩はもともと音楽と深いかかわりを持っています。そういうお話をするのに役立てようと、私物の蓄音器を会場に持ち込みました。
 中也の時代の音楽鑑賞といえば、演奏会に足を運ぶ他には、ラジオを聴くかSPレコードを蓄音器で再生するかでした。いずれもそれなりに高価なものでしたから、所有している人の家に集まって何人かで聴くことが多かったようです。音楽評論家の吉田秀和氏ら友人たちのエッセイにも、中也がそうやって音楽を聴いていた様子が伝えられています。
 蓄音器の蓋を開け、ハンドルを回してゼンマイを巻き、持ち重りのするSPレコードを回転盤にのせて針を落とす。一連の所作は何かの儀式のようですし、特にゼンマイを巻いていると器械と気持ちが通い合うような思いがします。再生中は自然と静かになって、その場にいる人は某メーカーのトレードマークに描かれた「チコンキの犬」のように耳を傾けるのです。現代とは少し違った音楽鑑賞の姿がそこにはあります。
 あの独特のスクラッチ音が記憶を呼び覚ましたようで、参加者のみなさんからは名曲喫茶、レコードコンサート、音楽の授業などのさまざまな思い出が語られました。音楽を通じて中也の内部に広がっていた豊かな心の世界を身近に感じたという感想に深く共感しました。

(象)
1月19日(木) 中原中也の会

 山口では、朝からずっと雨が降っています。雪ではないのでいいですが、この時期に1日中雨が降るのは珍しい気がします。
 さて、ご存じの方も多いとは思いますが、中原中也の会は、中也の作品を愛する方、研究する方などが、広く交流し、理解を深め、研究を向上させるための団体です。この会は当館とは別の組織ですが、当館に事務局があり、運営に関する事務を行っています。この会の活動については、27名の理事で構成される理事会で方針を決めており、この会議が21日に東京で開催されます。私も出席しますが、5月の研究集会・9月の大会の内容・出演者などを決める重要な会議になります。
 また、内容が決定しましたら、中原中也の会ホームページでお知らせしたいと思います。当館ホームページのトップページの「中原中也の会」をクリックし、次に「中原中也の会ホームページ」をクリックすると、この会のホームページにとびますので、こちらもご覧になっていただきたいと思います。是非、会へのご入会とイベントへのご参加をお待ちいたしております。  
(力)
1月13日(金) おかゆとうどんの師走

 先月はじめのこと、胃腸炎に罹ってしまい、ずるずると体調不良のまま12月が過ぎました。忘年会などの飲み会はもちろんキャンセル、暴飲暴食はする気も起こらず、せっかくのうれしい来客があったりもしたのに満足におむかえもできず、クリスマスケーキも食べられず、なんとも不甲斐ないひとつきとなりました。年末ころには徐々に調子も良くなってきたかと思いきや、自重忘るるべからずとのお告げか、年明け元旦またもや体調を崩し・・・。例年に増して、ごちそうとは縁遠い質素な年末年始を振り返っているところです。
 現在体調は快復傾向ですが、今度は歯の治療に悩まされ。親知らずを抜歯しなくてはならないようで、それもどうやら少しめんどうな手術になりそうで。あのときのはちみつが…とか、チョコレートが…とか、日々のおやつタイムが…とか、甘党ではなくとも甘いものをまったく口にしないわけではないので、つい過去を悔やんでしまいますが、手術への憂鬱をどう紛らわすか乗り越えるかを考えるのが先のようです。心と身体だけではなく、健康には歯も含まれるんですよね…落とし穴でした。おいしいものをおいしく頂ける状態はありがたいことだなあとびしびし痛感しております。健康評価に二重丸はつけられなかった昨年。今年の大きな目標のひとつは『体質改善』です。
(藤沢)
1月6日(金) ○ 謹賀新年 ○

 新しい年を迎えた日。かすかな小雨の中、近くの神社に参拝。一年の感謝をしてきました。私事ながら、おみくじではここ数年、3度も続けて凶を引いてしまい、生活面においても何かと試練の重なる年でありました。
 しかしながら昨年の末吉を経て、今年はとうとう、待望の、大吉。でした。よくよく目を通してみると…〈目上の人の思いがけない引立により、愈々(いよいよ)運開く〉との記述が。(目上の方!必読!心当たりはありませんでしょうか!)
 新年への期待に胸をふくらませつつ、お焚き上げを囲む輪に加わったところ、煙が昇った先でちょうど晴れ間が見え、参拝者の方々とひと盛り上がりしました。白い昇り龍のご加護がありますように。みなさまのご多幸をお祈り申し上げます。
(瑞海月)
12月23日(金) クリスマスの祈り

 今年も残すところあとわずか…とその前にクリスマスがやってきます。なんでも、山口は日本で初めてクリスマスのお祝いがされた土地なんだそう。「日本のクリスマスは山口から」と称して様々なイベントが行われています。さて、そんなクリスマスを中也はどのような思いで過ごしていたのでしょうか。調べてみると昭和11年12月24日には「冬の長門峡」が制作されています。この作品の書かれた当時、中也は息子文也を亡くしたばかり。背景には深い悲しみが潜んでいるのです。当時クリスマスは今のように一般的ではなかったようですが、何かとにぎやかな師走の町を、中也はさびしい思いで見つめていたことでしょう。それを思うとき、震災で被害を受けた人々の悲しみが重なります。今年のクリスマスは、東日本大震災で亡くなった人々への祈りの日にしてみるのもいいかもしれません。
 さて、気づけば今年最後の日誌でした。皆様、よいお年をお迎えください。
(菜の花)
12月16日(金) 横浜三塔物語

 今年も残すところあと半月となりました。今日の湯田は小雪舞う空模様。とにかく寒いです。
 さて先日、出張で横浜へ行ってきました。横浜は中也の母・フクさんの生まれた町であり、中也も上京してからたびたび訪れ、詩の舞台にもなっています。
 そんな横浜にて、訪問先への道すがら、路上で発見したのがコレ。

     

 ジャック=横浜市開港記念会館、クイーン=横浜税関、キング=神奈川県庁本庁舎の通称「横浜三塔」が一度に眺められるスポットです!(右の写真正面がキング、はじっこギリギリに小さ〜く写っているのがジャックとクイーン)ここに立つと願いがかなう…と聞いたような気がしたのですが、それは思い違いで、同じく三塔が一度に見える場所が3箇所あり、すべて巡ると願いがかなう、という都市伝説があるのだそうです。うーん、ご利益まではまだまだ…。
 ちなみにこの3つの建物は大正から昭和初期にかけて造られました。中也も見ていたのかも?と思うと、また新たな横浜の楽しみ方ができました。

(ゆうすげ)
12月9日(金) 「明日の中也は……」パート2

 前回に引き続き「明日の中也は……」シリーズです(勝手に始めました)。前回は中也の命日でしたが、今回は『山羊の歌』。そう、12月10日は中也の第一詩集『山羊の歌』刊行日です。
 昭和9年12月7日夜、最初の構想からするとおよそ7年の歳月を費やした第一詩集がついに完成しました。8日は朝から発行元の文圃堂書店に行き、予約分と寄贈者分への署名と発送作業を行い、9日は山口に帰郷、2ヶ月前に誕生した長男・文也と初めて対面し、妻・孝子と久しぶりの再会を果たします。そして10日、『山羊の歌』刊行日をふるさとの家で迎えるわけです。
 こうやって数日の事績をまとめているだけでも、何となく気分がウキウキしました。まさにこの世の春といったできごとばかりです(冬ですが)。
 昭和9年12月10日、盆地ゆえ寒さがグッと増しはじめる山口の朝の空気を、中也はきっとすがすがしい気持で思い切り吸い込んだことでしょう。
(順天)
12月2日(金) 動くフクさん

 先月から始まった企画展「中也の母・フク」ですが、静かな関心を集めています。
 山口市内には生前のフクさんと接していた方がおられるのですが、やはり茶道の関係の方が多いようです。亡くなったお母さんがフクさんに茶道を習っていたという方がフクさん自筆の色紙や短冊などをご寄贈くださったり、われわれの知らなかった情報を寄せてくださったりということがあって、また新しい展開がありそうな期待があります。会期も長いことですし、引き続き調査を続けて行けたらと思っています。
 展示でご紹介している資料の中で、今回の目玉はフクさんの映像と音声です。
 端正で滑らかな立ち居振る舞いや少女時代に習い憶えたオルガン演奏など、四男の思郎さんが撮影・編集した8ミリビデオにひとりの女性としてのフクさんの姿を見ることができます。そして、村上護さんのインタビューに答えて中也の「肝やき息子」ぶりを語るフクさんの声には、母親としての深い思いが込められています。
(象)
11月25日(金) 運営協議会

 今週に入ってから、山口では例年より寒い日が続いています。皆様のお住まいのところはいかがでしょうか?
 さて、当館では来年度以降の展示やイベントの開催時期や内容などを検討しています。当館の運営・企画内容などを協議する機関として運営協議会があり、委員はご遺族・中也研究者・学識経験者・市職員などで構成されております。この会議は通常年2回開催しており、今までの実績を報告するとともに、今後の運営・事業計画などを説明し、委員からのご意見をお伺いします。この会議が来週予定されており、資料作成などに追われています。時には厳しいご指摘をお受けする場合もありますが、すべては記念館をよりよくしたいというご意見なので、とても参考になり、大変有意義な会議になります。
 毎回のようにご意見をいただきながら改善できていない点や効果が現れていない点などもあり、ダメ出しを受けることも覚悟の上ですが、貴重なご意見をいただきたいと思いますので、期待半分・不安半分といったところです。
 委員の皆様、よろしくお願いします。   
(力)
11月18日(金) きょう ひとひ

 今年も大内カンガルーポケット保育園の園児たちが、展示見学&朗読のおひろめにきてくれました。朗読タイトルは「サーカス」「早春の風」「正午」そして、まどみちおさんの「みどりの地球」。ちょうど同時刻に見学されていた吉敷地域交流センター文化講座のみなさまとともに、元気いっぱいの朗読を拝聴しました。声に出す詩は、紙にのせられた詩とは違った印象にもなります。同じ詩でも、朗読する人の性別や年齢、声、場所など少しの違いから様々な変化が生まれます。受付にて披露されたこどもたちの無垢な朗読を、中也もきっと微笑ましく聴いていたことでしょう。特別展もおわり、少し落ち着いてきた中でのほっこりとするひとときでした。(特別展はおわりましたが、特別展を凝縮した四季展パンフレット、好評販売中です!)

             

(藤沢)
11月12日(土) 本日はフクさんの命日です(拝)

 9日より始まりました、「中也の母・フク」展。メインビジュアルには若い頃のフクさんと幼い中也(4歳の頃)の写真、展示ではフクさんの、母親目線で語られる中也。というわけで、フクさん展の準備中にはフクさんにならい、「ちゅうちゃん」と呼ぶ癖がついてしまいました。
 可愛くおめかししたちゅうちゃんの写真は、来館者さま方にもとても人気で、また、企画そのものにも母に焦点があたっていることもあり、女性のお客さまにご好評いただいています。
 今回の展示の随所に居らっしゃるフクさんの写真を見ていると、母の偉大さや深い愛情に改めて気づかされます。例年にはない、母の日以外での母に感謝の機会となりました。

             

(瑞海月)
11月4日(金) 特別展、いよいよ11月6日まで

 特別企画展「雑誌『四季』と中原中也」がいよいよ11月6日までとなりました。ついこの間始まったばかりのような気がしますが、ふと気付けばとうとう来週の日曜日が最終日。あっという間でした。普段は見ることができない貴重な資料の数々に、心躍らされる日々でした。普段はあまり公開できない中也の直筆資料はもちろん、他の文学館などからお借りした立原道造や津村信夫の原稿、萩原朔太郎の書簡、そして「四季」第63号の原稿一式などなど…。もしまだ見ていないという方がいらっしゃれば、お早めに!
 そして、11月9日から新しい企画展「中也の母・フク」がスタートします。詩人中原中也を育てた母親とはいったいどのような人物だったのでしょうか?そして中也の詩に見られる母親像とは? 今回初公開となるフクさんの貴重な映像や音声もご用意しております。お楽しみに!
(菜の花)
10月28日(金) 先週に続き中也命日

 目下、11月9日からの企画展「中也の母・フク」の担当者として、準備に追われる毎日。そんな中、22日の中也命日に、ご遺族の方と館員でお墓参りに行ってまいりました。中原家のお墓、ということはフクさんもここに眠っています。中也のご冥福をお祈りしつつ、フクさんにもご挨拶をすることができました。
 中也のお墓は、記念館から車で10分ほどの吉敷地区の経塚墓地にあります。「一つのメルヘン」の舞台といわれる吉敷川、通称・水無川のほとりにある、野の花がちらほら生い茂るのどかな墓地です。
 フクさんの命日は11月12日。その頃には無事に展示もオープンして、ほっと解放感にひたっているはず…。あと残り10日あまり、フクさんどうかお見守りくださいね。

         

 
(ゆうすげ)
10月21日(金) 明日は中也命日

 平成19年、中也生誕100年の時に記念館のグッズとして制作した中也カレンダーには、中也や中也の家族の誕生日、命日、詩の制作日などが記されています。生誕100年の時のカレンダーなので、今は実用に適していませんが、仕事部屋の端に掛けておいて、たまにちらっと見て、「ああ、今日(10月5日)は「曇つた秋」を書いた日かー」とか、ちょっとした感慨にひたることがあります。
 10月の中也カレンダーにはたくさん記述があります。6日―鎌倉養生院に入院、15日―弟・思郎誕生、18日―長男・文也誕生、22日―中也逝去、24日―弟・恰三誕生、29日―弟・亜郎誕生。
 こうしてみると、弟5人のうち3人が10月生まれ、中也の命日は誕生日ラッシュに挟まれた感があります。そして彼らのうち母・フクを看取ったのは思郎さんのみ…。フクさんの10月は生と死を想う月だったのではないでしょうか。
 企画展「中也の母・フク」は11月9日スタートです。(そういえば中也カレンダー、売れなかったなあ…)
(順天)
10月14日(金) 全国障害者スポーツ大会

 山口国体が終わって記念館周辺に日常が戻ってきました。湯田温泉に来られた方々をおもてなししていた「ぶちええ横丁」の会場も、テントやステージが撤去されて空き地に戻り、そぼ降る雨に濡れて「祭りの後」の雰囲気を漂わせています。
 午後8時まで開館延長をして国体のために湯田温泉を訪れた方々をお迎えする準備をしていた記念館でしたが、残念ながら来館者数は昨年の同時期よりも大幅に減少しました。美術館等の他の文化施設も同様だったと聞いています。
 私自身は10日に初めて国体のメイン会場に足を運び、ちょるる広場で朗読「中也 ひとつのメルヘン」を観て、陸上競技を観戦しました。「中也 ひとつのメルヘン」は構成も演技も朗読もすばらしいものでしたが、名産品の販売や飲食が主となる野外の会場は騒然としていて真剣に耳を傾ける人も少なく、とてももったいない感じがしました。陸上競技場で繰り広げられていた各県の代表選手たちによる競技も見応えのあるものでした。しかし、すぐ隣で先ほどまで響いていた中也の言葉はその場には無縁でした。
 スポーツと文学とはまったく異分野なのだから当たり前だという考え方もできるかもしれませんが、文化という言葉を広くとらえれば、スポーツと文学は、人間だけが楽しむことを知っている文化という営みのそれぞれのかたちだといえます。まずは自分自身がこれまで接してこなかった競技にも関心をもって選手たちがそれに打ち込む姿を見つめることかなと思い直しました。それが国体開催の場に居合わせるという機会を最も生かすことになるでしょう。
 22日から24日にかけては、全国障害者スポーツ大会が開催されます。これを機会に、日頃は報道やコミックを通じてしか知ることのない障害者スポーツの世界に接してみようと思っています。総合成績にこだわったり、取らぬ狸の皮算用をするより、ずっと豊かな時間を過ごせそうな気がします。
 もちろん、記念館は21・22日も午後8時まで開館延長して(入館は30分前まで)みなさんをお待ちしています。多目的トイレも設置しております、どうぞよろしく。
(象)
10月7日(金) 山口国体

 10月1日から11日まで山口県では第66回国民体育大会『おいでませ!山口国体』が開催されています。山口市内でも、多くの競技が行われており、現在行われているのは陸上競技・ホッケー・バレーボール・ゴルフです。
 10日までは、国体選手・関係者などへのおもてなしのため、山口市商工会議所などの主催により当館前の旧山口銀行湯田支店跡地と当館前庭で「おいでませ!湯田温泉ぶちええ横町」が毎日午後5時から8時まで開催され、飲食の提供やステージイベント(8・9日のみ)などを行っています。これにあわせ、当館では毎日午後8時まで開館時間を延長しています。また、11日(火)まで休まず開館しています。
 是非、この機会に、「ぶちええ横町」とライトアップされた記念館にお越し下さい。
         

 また、国体の主会場である維新百年記念公園内にある「ちょるるステージ」では、様々なイベントが行われてれており、10日(月・祝)には劇団俳優座の福原まゆみさん・宮川崇さんによる中原中也の詩の朗読「中也 ひとつのメルヘン」が午後2時30分より上演されるそうです。(構成・演出:長田加奈子さん)
 今回のステージのために、詩と中也の手記などから上演台本を考えられたそうです。大変楽しみですね。
 10日は、維新百年記念公園「ちょるるステージ」へ!
(力)